SEになれなかったおばちゃんからのメッセージ

日々起こったこと

店内はお客様が出たり入ったり。
ここはスタバみたいなカフェではなく、パン屋さん。
なので長居をするお客さんはそんなにいません。
2時間もいるのはわたしとおしゃべりの止まらないおばちゃん2人組だけした。

おしゃべりが尽きないおばちゃんたちもとうとう立ち上がりました。
ようやくお開きのようです。

おばちゃんたちがわたしの隣を通過しようとするときに視線を感じました。

「あんたはよかね〜、コンピューターを使いきるけん」
話かけられることを想定しておらず、しかも「はい」なのか「いいえ」なのかどう答えていいかのか分からずモゴモゴしていると、
「わたしもね、20年くらい前にね、コンピューターくらい使えるようになりたかね〜と思って旦那にそげん言うたとよ。そしたらね、『50も過ぎてそげん難しかことはどうせしきらん。やめとけ』と反対されてね、わたしも『そうね〜やっぱ無理かね〜』と思ってあきらめた。でもね、やっぱりあの時、しとけばよかった〜!旦那の言うこととか聞かんどけばよかった〜!と今になって後悔しとるんよ。それひとつで仕事も趣味も何でもできるんでしょ?そしてあたなみたいな人「SE」っていうんでしょ?20年もあったらね、わたしも今頃SEになっとるよ、ほんなこつ」

「まずわたしはSEではないですし、そんなに簡単にSEになれるわけ…」
「あなた、覚えときなさい!」
「は、はい!」
「自分がやりたいことは、人が反対してもやっときなさいね。まわりの人の言うことに流されたらいかんよ。じゃないと、あとになっておばちゃんのようにゼッタイ後悔するよ。やりたいならやる。ほんなこつよ」

トイレから出てきたもうひとりのおばちゃんも一緒になって、
「ほんなこつほんなこつ」
と相づちを打ってます。

話しかけてきたおばちゃんのイラスト

※方言をかなりやわらかくして書いていますが関東地区のみなさま伝わりましたでしょうか?
(心配しなくても関東の人は読んでいません…)

「SEさん、がんばんなさいね」
とおばちゃんたちが店を出ていきました。

なんだったんだろ今のは…。
おばちゃんの勢いに押されてびっくりしたけど、けっこう大事なメッセージが含まれていたような気がする。

もし20年前の自分にメッセージを送れるなら、このおばちゃんと同じメッセージを送るんじゃないかしら。
自分の人生に後悔しすぎた20年後の自分が、こんな形で今の自分の送ったメッセージなのかもしれない。

やってみたいことはやってみる2021年にしていこう。
2041年に、また同じメッセージを今年の自分に送ることにならないように。

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